column旅のおもいで
| 第三回買付け旅行記 初めてのSAS 1.10(Tue) 今回の北欧へは、前から乗ってみたかったSAS、スカンジナビア航空で向かうことにしました。名古屋からはフライトが出ていないので、名古屋から成田空港まで新幹線と成田エクスプレスを乗り継いで向かいました。 ギリギリに荷造りしたおかげで当日は睡眠不足。眠たい目をこすりながら乗った早朝の新幹線は、なぜか若い恋人たちばかりで・・・。サンドイッチや駅弁を仲良く楽しそうに食べる彼らの青春を、少しうらやましく思ったりしつつ新幹線は無事品川に到着しました。 品川で成田エクスプレスに乗り換え、空港に到着しチェックイン。 この日の成田は雪でした。そのため予定より1時間ほど遅れて、まずはコペンハーゲンへ出発です。SASのシートサイズはゆったりとしていて、身長が155センチしかない私は床に足が届かなかったほどです。 なので少々お行儀悪く足をぶらぶらさせつつ、約11時間でコペンハーゲンに到着しました。 11時間・・・いままでの北欧への所要時間:キャセイ航空36時間、マレーシア航空34時間を考えてみると、なんてすばらしい時間の節約でしょう!やっぱり北欧ダイレクトインは快適です。「これからは欧州系航空会社だわ」なんて喜んでいました。 帰りのフライトでこの喜びが全くのぬか喜びであったことがわかるのですが・・・。 コペンハーゲンから今度はヘルシンキまで乗り継ぎ、約1時間半で到着です。 ヘルシンキ空港には夜の8時に到着しました。一年ぶりの冬の北欧です。外にでると予想以上の雪の多さと寒さ、暗さにすっかりうろたえてしまいましたがまずは無事の到着を喜びました。 ---------------------------- 1.11(Wed) この日は約束しておいたARABIA専門のディーラーに会いに行きます。 ヘルシンキから電車で約2時間。フィンランド中央部の街まで出かけました。状態のよいARABIAの陶器、ヌータヤルビやイッタラのガラスも見つかり、とても充実した買付けとなりました。なぜか英語のまったくできない奥さんが待っていてくれたので、少し離れた店舗で仕事をしているご主人と電話越しに英語で交渉し(難しかったー!)すてきな商品を仕入れることができました。 そこで発送の手続きを済ませ、外に出るともう夕方になっていました。そのまま駅のそばで軽い食事を取り、ヘルシンキまで戻ります。駅では、3人連れの日本人ビジネスマンが、ヘルシンキ行きのチケットを求めていました。 お父さんたちがんばってるなぁと少し感動。 さて今回の旅では、夜に時間を作って劇場にお出かけしようと決めていたのです。 この日ストックマンデパート最上階にあるプレイガイドで、ヘルシンキ交響楽団のコンサートチケットを買いました。カウンターのお姉さんがすすめてくれたステージ向かって右側のボックス席を購入したところ金額は17ユーロ(約2,500円)、日本で買うよりもずっとお得です。翌日のコンサートにわくわくしつつホテルに戻りました。 そしてこの日夕飯はホテルのキッチンで自炊し早々に就寝したのでした。 ![]() 1月15日が大統領選挙だったのでいろんなところに看板が。 29日の決勝投票まで争われ、結果は現職女性大統領のハロネン氏がが再選されました。 ---------------------------- 1.12(Thu) ヘルシンキ市内を回りマリメッコのビンテージカーテンや、フィンランドらしいテーブル周りのテキスタイルなどを仕入れました。 布関係は状態の良いものを探すのがけっこうな苦労なのですが、やはりフィンランドのテキスタイルはすてきです。独創性のある優れたデザインと独特の古い布地の質感は大きな魅力を持っていると思います。他にも細かなアンティーク雑貨を買付けました。 順調に行っていた買付けですが、何の因果か、いつもアクシデントが起こります。 この日は最後に寄ったアンティークショップで起こってしまいました。支払いをカードで行うとなんと3,000ユーロも余分にチャージされてしまったのです!店番のおばちゃんの単純な操作ミスです。こちらも向こうも大弱りで、その日は休みだったオーナーも駆けつけてくれたのですが、時間も遅かったためカード会社の営業時間が過ぎておりタイムオーバー。「明日もう一度来てくれないか。」と申し訳なさそうに言われてしまい、怒るに怒れず「ビッグディスカウントとコーヒーをサービスしてもらう」と約束してもらい(冗談も含めて、ですよ・・・)この日は買付け終了となりました。 夜は前日にチケットを買ったコンサートの日です。 ガイドブックによると「長い冬を楽しむために北欧では冬にたくさんのコンサート・オペラが開かれ、人々はこぞっておしゃれをして出かけます」とありました。また「出かける際はフォーマルな装いを心がけるよう」にと注意があります。 さて何を着てけば良いのか・・・と悩みましたがドレスを買うわけにもいかず、タートルネックのニットとウールのパンツに小さなポシェットを持って、路面電車に乗って出かけました。 フィンランディアホールではさりげなくマンウォッチングを楽しんできました。 開演前はみんなコーヒーやお酒を飲んで談笑しています。ガイドブックに書いてあったことは誇張でなく、観客の皆さんはすごくおしゃれをしていました。男性はスーツにネクタイ。女性はハイヒールにドレスやワンピースが基本です。クローク前で雪用のスニーカーからハイヒールに履き替える女性や、ロビーにある大きな鏡の前でネクタイの結び目をチェックする男性など、眺めているだけで本当にわくわくする光景でした。ただ個人主義の国ですからドレスアップしていないからといって特に白い目で見られることは無いようで、居心地が悪い感じはしませんでした。親に連れられてきた10代くらいの子たちや学生らしいグループは、ジーパンやスニーカーなどカジュアルな服装だったのにも少し安心しました。 演目はボロディン(※)、シューマン、モーツァルトで、不覚にもモーツァルトの「レクイエム」では激しい眠気に襲われてしまいました・・・。恐らくからだが右斜めに傾いて固まっていたと思います。(学生時代から居眠りをするとそうだったのです。)ボックス席だから後ろに誰もいなかったのは幸いでした。 (※後日訂正・・・お客様にいただいたメールがきっかけでパンフレットを見返してみましたらボロディンではなくPingoudでした。ボロディンは行きたかったほかのコンサートでの演目でした。失礼いたしました。Pingoudはロシア生まれでフィンランド市民権をとった作曲家です。) オーケストラのなかにアジア人女性がいたのでプログラムの楽団員紹介の欄を見てみると、なんと日本の方のようでした。臨時楽団員と書いてあったのですがなんだか誇らしい気持ちになりました。 ---------------------------- 1.13(Fri) 昨日のクレジットカード問題を解決しに、件のアンティークショップへまず向かいました。会社側とも連絡が取れたようで一安心です。各書面のコピーを取ってもらい、待っている間ジュースを飲みながらオーナーのお話を聞いていました。彼女によると昨日は厄日だったそう・・・せっかく長いお話を聞いたので、ここにも書き留めておこうと思います。 新しいパソコンを買ったけれどうまく起動しないので、その解決のために一日お休みを取っていたそうです。ところがまず朝7時に同じ建物に住む娘さんの電話で起こされました。 5歳のお孫さんが気づかないうちに冷凍庫を開け、ドアが開けっ放しになっていたのです。助けに来てほしいとのSOSでした。駆けつけると床は水浸しで中のものは溶けまくっていたそうです。仕事に出かけなければいけない娘さんに車を貸してあげて送り出したあと、冷凍庫のものをすべて取り出し自分の家の冷凍庫に移しかえるため、階段を何往復もしたそうです。しかも片手で動き回ろうとする5歳の男の子を抱きかかえつつ。(ゾッとしますね〜、それにしても娘さんは相当冷凍庫にたくさん食料を入れていたんですねぇ・・・。) ひと段落するとお昼前。もういちどベッドに戻り休んでいたら、郊外にある夏の家の窓が大雪のために割れているという連絡が入り、夕方には自分のお店でクレジットカード問題が発生(私です・・・)。このときはタクシーが捕まらなかったので娘さんの職場まで走って車を返してもらいに行ったそうです。そしてこの週末は車で雪道を片道7時間かけて夏の家の雪下ろしと窓の修理にでかけなくちゃいけない羽目になったと嘆いていました。 「大変ですねぇ」と思わず同情してしまうと、「70歳だし仕事をする必要はないんだけど、頭をたくさん使って緊張感のあることをしていないとつまらないのよ。」とおっしゃっていました。最後お店を出るときにフィンランドの良い思い出に・・・と松ぼっくりの人形をいただいて(ビッグではないけどディスカウントも覚えていてくれました。)お店を後にしました。 この日は時間のロスもあったけど面白いお話も聞けたしお客様にリクエストをいただいていた品物も見つかったしと嬉しい日でした。 ![]() 靴についた雪を取り除くブラシ。たいていの建物の入り口にあります。 ---------------------------- 1.14(Sat) 前日の晩からヘルシンキから日本に送る荷物を作っていたのですが終わらせることができず、この日は朝5時から発送の準備に追われました。壊れ物が多いので梱包にはとても気を使います。午前中に大きなダンボールが2箱出来上がり、土曜日でも営業している中央郵便局まで運びました。キャリーに載せて運びますが、箱が大きいため2度に分けて行くことにしました。郵便局の局員さんはおばあちゃんでしたが細やかな心配りで、割れ物扱いと荷物の保険もすんなり手間取らず受け付けてくれました。(郵便局は人によってサービスの質が全然違うのです。)なので2箱目の時もその人の列に並び、このダンボールたちの無事の到着を確信したのでした。(そしてその確信は当たっていたのでした。) そのあとは街を歩くことに。去年他のショップで「魔法使いのようなおばあさんがいるよ」と教えてもらって知ったアンティークショップ「アルベルティーナ」を覗きに行きました。ここは土曜日しか空いていないのですがアラビア陶器は資料館級の品揃えです。魔法使いのようなおばあさんも健在でした。 貴重なビンテージを見ることができて勉強になりました。 ![]() フィンランドのお菓子「ゲイシャチョコ」。ヘーゼルナッツクリームが入っています。 あまりにも・・・な日本風のパッケージに買うのを躊躇していたけれど お友達にいただいたところとても美味しかったのですっかりファンになりました。 ---------------------------- 1.15(Sun) この日はスウェーデンへの移動日です。 しばらく風邪引きはじめのいやーな感じが続いたので、朝からラザニア&チーズのスープという高カロリー食を食べて荷物をパッキングします。 そのあとホテルをチェックアウトしエアバスで空港へ向かう途中、なんと飲酒の検問に出くわしました。日本と同じように警察官が数人でバスドライバーを誘導し、フーッと息を吹きかける棒(なんて呼び方なのでしょう?)を使ってチェックしていました。もちろんエアバスのドライバーさんはアルコール検出されず、ホッ。 なぜ日曜日の朝8時台に飲酒検問なのかちょっと不思議でしたが面白かったです。 ヘルシンキ空港から小さなプロペラ機で約50分かけてストックホルム空港へ向かいます。到着後ストックホルム空港からはエアバスで中央駅へ、さらに歩いてホテルにチェックインです。 このホテルがちょっとデビット・リンチ映画のような雰囲気のホテルで、慣れるまで時間がかかりました。霊感なんてないけれど正直怖かったです。フロントのお姉さんの好意で妙に広い部屋にしてもらえたけどそれが逆にまた怖かったり・・・。 ![]() 薄暗い廊下の壁にはタバコや葉巻を口にしたヒッチコックやゲバラらのモノクロポートレートが・・・。 でも部屋は禁煙ルーム・・・。 |
寒波到来! 1.16(Mon) ストックホルムではリサ・ラーソン、エリック・ホグランなどのデザイナーものをメインに探しました。いわゆる「SWEDISH DESIGN」ものですが、可愛らしさのあるちょっとレアな製品を多く見つけることができて良かったです。 ---------------------------- 1.17(Tue) 朝からグスタフスベリ博物館へ行きました。SLUSEEN駅からボルボのバスに揺られて小旅行です。30分程で、イカリのマークでおなじみのグスタフスベリに到着しました。ここでの目当てはミュージアムショップで売られている資料です。行った甲斐がありいい資料が何点かみつかりました。他にもミュージアムショップにはリサ・ラーソンの陶製ブルドッグのかわいいポストカードなどもあり、思わず自分用に購入してしまいました。 ![]() グスタフスベリ博物館です。小さな広場に面してしました。裏手にはアウトレットがありました。 ![]() 湖に鳥がいたので近づいてみると、エサがもらえると勘違いされて大騒ぎになりました。遠くからあわててやって来る鳥の姿が面白くないですか?でも何もあげる物を持っていなかったので「ごめんねー」と急いで逃げました。 グスタフスベリは小さくて楽しそうな街でしたがあまりにも寒かったので早々に引き返します。日本から持ってきた風邪薬が一向に効かないので薬局で現地の薬を買ってみることにしました。いわゆる総合感冒薬はなくて、症状ごとに対処する薬を使うのが普通らしく点鼻薬とトローチを処方してもらいました。これがよく効く薬だったのでおかげでこの後の日程は元気に進めることができました。 午後も街を歩き回りとてもとてもかわいいスウェーデンのテキスタイル・工芸品などを仕入れました。 この日の夜はお楽しみ第2弾ということでプッチーニの「マノン・レスコー」を見にオペラ座へ出かけました。オペラ座は天井画やシャンデリアなど見ごたえがあり、劇場を見学するだけでも価値のある場所だと思います。オペラ自体ははアットホームな雰囲気で、観客もフィンランドに比べるとそこまでドレスアップしていなくて気楽な感じでした。幕間にロビーでジュースを飲んでいたら「プッチーニのマダム・バタフライ(蝶々夫人)がまだ生きていた!」とオペラファンのおじいさんにお褒め(?)の言葉をいただきました。ちょっとうれしかったのでここに報告させていただきます。 ![]() ポピュラーなおやつ。パンにアニスの風味のクリームがたっぷり。名古屋の喫茶店「コメダ珈琲」の名物・シロノワールに見た目そっくり。 ---------------------------- 1.18(Wed) この日からストックホルムは吹雪になりました。朝起きて窓の外を見ると横なぐりの雪がビュウビュウです。 もうホテルで寝ていたい・・・と思いましたが出かけなくてはしょうがない。 ここでパタゴニアでそろえたアルペン登山用の防寒グッズが大活躍しました。 あと貼るカイロも鎧のようにたくさんつけてなんとか乗り切ることができました。 翌日も夜までずっと買付けのためにいろんな場所を回っていたのですが、信じられないのは積もる雪の中ジョギングしている人を何人も見たことでした。あとTシャツで歩いていた若者です。雪は降っていてたくさん積もっているし、道なんてつるっつるなのに・・・。 ![]() 思い出すと身震いが・・・ブルブル |
そしてフライト難 1.20(Fri) いよいよ帰国の日がやってきました。相変わらず吹雪のためストックホルムから乗り継ぎ地のコペンハーゲンまで1時間の遅れとなりました。「ぎりぎりだわー」と焦りながらゲートへ急ぎ、あとは搭乗案内を待つだけになっていたのに、出発時間がみるみる変更されて遅くなります。 15時のフライトが最終的に「20時まで案内を待て」になりました。やな予感がします。去年の冬もこんな感じでフライトキャンセルとなり大変な目に遭ったからです・・・。結局またもやフライトキャンセル。この日のSAS便はほぼ全便キャンセルとなり大量の旅客が空港で一夜を過ごすことになりました。空港内で使えるミールクーポンが配られて翌朝6時にもう一度集まるようにと言われ、この日は終わりました。ミールクーポンは約2000円分でしたが何しろ物価の高いところでオレンジジュースだけで1,000円もしたので夕飯には全然足りませんでした。眠れないまま一晩を明かして 結局翌朝は集合してから11時まで待たされ続けました。この間列から離れることもできず、飲まず食わずで立ちっぱなし。まるで自分が難民になったような気がしました。いらだった旅客対SASのバトルもすごかったです。暴言を怒鳴ったためにセキュリティーに連行される人もいたりして、けっこうな危機的状況でした。 このとき同じように列に並んでいた日本人で、スペインに留学していたKさんという女性と知り合いになりました。前日は眠れなくて夜2時から空港のバーでビールを飲んでいたというツワモノでした。このKさんが魅力的で面白い人だったので心強く気分も和らぎました。このあと成田まで行動を共にして、一人で旅をすることが多いけれど「旅は道連れ・・・ってこのことだわ」と実感したのでした。 最終的に代替便として用意されたのがさらに翌日のルフトハンザ航空になったので、もう一泊コペンハーゲンで過ごすことになりました。いい加減早く帰りたかったのですが・・・。それでも今度はホテルを用意してもらい、ベッドに横になることができ日本に帰る目処もついたのでホッとしました。 しかし3回のうち2回の買付けでフライトキャンセルにあうなんて・・・。自分の飛行機運の無さに呆れてしまいます。しかもフライトキャンセルになると大概預けた荷物は出てこないのですが、今回はなぜか荷物だけ一日早く成田についていたのでした。名古屋に帰ってどきどきしながらスーツケースを開けてみると大切な陶器はすべて無事で本当に何よりでした。 ![]() SASが手配してくれた空港そばのホテルの窓から。きれいな空でした。それにしても雪の季節にヨーロッパ旅行される方、お気をつけください! |
北欧のビンテージ・アンティーク雑貨perch パーチ